ゴルフ創成期から存在するL字型パターは、ピン型やマレット型の出現によって、ヴィインテージコレクションとして評価が高くなっていたわけですが、難易度の高まるグリーン対策として改めて「インtoイン」のストロークが見直され、L字型パターに注目が集まってきています。
ここではかっこいいクラシックタイプはもちろんのこと、L字型とマレット型を合体させて人気を博しているおすすめの「Lマレ」もご紹介していきます。
L字型パターのメリット・デメリット
「L字型パターは難しい」と食わず嫌いになっているゴルファーが多いようですが、「テークバックで真っ直ぐ引けない」、「インパクトでフェースをスクエアに合わせられない」と悩んだときは、ショットと同じ身体の動きでストロークができるL字型パターがおすすめです。
また恣意的にトップをしたり芯を外したりすることで、難しい下り斜面や強い芝目を攻略することもでき、パッティングの奥の深さを感じることができるパターです。
ただしインパクトの前後でフェースが開閉するため、タイミングが合わないと右方向に打ち出したり、左方向に引っ掛けたりとデメリットを感じるかもしれません。
他のクラブ同様にトコトン練習をして、使いこなせる自信を身につけることが必要な道具でもあります。
道具の性能によってミスを助けてもらうパターではなく、自らの意思でコントロールするパッティングを目指すゴルファーには最良のパターとなるはずです。
L字型パターおすすめ12選
従来かあるクラシックタイプのL字型パターについては、メーカーの大半が新規の生産をしていないため、ヴィンテージ市場を中心に探すことになります。
一方でL字型パターとマレット型パターを合体させた、通称「Lマレ」タイプのパターであればメーカーからの出荷品でも手に入れることができます。
L字型パターを操るときの基本は、身体の軸を中心に弧を描くストローク軌道をイメージすることですが、ショートパットではスライド式のストレート軌道のほうが打ちやすい場合もあり、両方の場面で扱いやすい「Lマレ」は人気の品となっています。
10年以上前に発売されたヴィンテージ品もあるなか、あえてメーカー価格順にL字型パターのおすすめ12選をご紹介していきます。
【ODYSSEY】 METAL-X (#8)
シャフトの長さは33・34・35インチの3種類で、シャフトの傾きを表すライ角はすべて70度なので、自分のグリップ位置に合うものを選武と用意でしょう。
ただし2012年発売の商品なので、新品を探すのは難しいかもしれません。
軽いウレタン製ボディに軟らかいアルミ製のフェースをインサーとしているので、打感の良さが際立っている人気のL字型パターです。
【プロギア】 Silver-Blade II L字マレット型 SBII-02
L字型パターとマレット型パターのよい部分を合体させたのが、通称「Lマレ」と呼ばれている2010年モデルのL字マレット型パターです。
L字型特有の意思を持ったボールコントロールと、マレット型特有の安心感のあるテークバックを感じることができます。
名称が表すように「シルバー=ミラー仕上げ」の「ブレード=フェース」を持つ、低重心のパターです。
【FOURTEEN】 FK パター(FK-4)
繊細なタッチでボールをコントロールしたい、自分の意思をダイレクトに反映させたいと考え入るのであれば、ピッタリのL字マレット型パターとなるはずです。
フェースは超高度のアルミ合金製で、それを削り出しによって仕上げたものです。
また高級感の漂うパールカラーのボディ、水鳥の足がイメージできる柔らかなフォルムのネック、ヘッドをソールしただけで「入るような気がする」パターです。
【PING】 シグマ G シェイH パター
L字型パターの基本となる「インtoイン」のストロークをイメージして、しっかりボールを打つことができれば、信頼のおけるパターとなるはずです。
フェース面は打感の軟らかい「6061アルミニウム」を装着しているので、右方向への打ち出しの心配はなく、また引っ掛けを恐れることもないはずです。
L字型特有の性能だけではなく、ヴィンテージテイストが感じられるスタイリングも人気となっているようです。
【PING】 シグマ G TESS パター
完全なL字型パターの「シグマ G シェイH」では難しいと感じるのであれば、スムーズにテークバックができる同じシリーズのLマレタイプ「シグマ G TESS」がおすすめです。
本来は32、33、34、35インチの4種類のシャフトを選ぶことができますが、本シリーズは2017年モデルなので、在庫のあるもののなかから選ぶしかないかもしれません。
【ODYSSEY】 ストロークラボ NINE
2019年2月発売の「Lマレ」タイプのパターです。
前年のプロツアーで人気絶頂のプロがL字型マレットパターを使用したことで、ヴィンテージコレクション化していたL字型パターも見直されるようになったわけです。
マレットパターで当代一と言われるオデッセイからも、L字型マレットパターが発売されたわけですが、完成度の良さからトッププロはもちろんのこと、アマチュアにも人気となったおすすめのパターです。
【PING】 ヘプラー ZB3 パター
唯一社名がスタンダードな型名になっているパター界の大御所「PING」にはピン型パターがあります。
2020年4月、ヘプラーシリーズのなかにL字型パターを加えたのが、この「ZB3」です。
もっともPINGはオフシャルでL字型パターとは表明していないため、あくまでもピン型パターの亜流と考えているのかもしれません。
ちなみに品名の「ZB」は、一世を風靡したピン型パターの「Zing Blade」の頭文字を冠したものです。
【ODYSSEY】 ミルドコレクション TX パター9
ソフトな打感と好感度の高い打音で大人気の「WHITE HOT」をインサートした、2016年10月製の「Lマレ」タイプパターです。
総重量1キログラムのヘッドは軟鉄を削り出した精巧品、ソールの両端には3個ずつ、計6個の丸鋲「タナイト合金」を装着したことで慣性モーメントが向上し、パッティングのミスをカバーしてくれます。
【ムジーク】 5218 スペシャルチューン パター
2015年に発売された「オンザスクリュー LIMITED 50」の復刻版の「Lマレ」タイプです。
ソールに装着している4グラムのノーマルウエイトは、自分で10グラムにつけ換えることができますが、入換え用ウエイトのほかに専用のレンチも必要なので、併せて購入すると良いかもしれません。
ロフト角は転がりの良い4度、カラーはブラックとシルバーの2色があります。
【ODYSSEY】 トゥーロンパター サンフランシスコ (日本仕様)
2018年12月日本上陸のLマレタイプのパターです。
ヘッドは303ステンレスの削り出しで、あえて軟らかい打感の「WHITE HOT」をインサートせず、硬い打感のソリッドタイプのフェースに仕上げています。
ひし形の溝が彫られたディープダイヤモンドミルフェースによって、打感、打音、転がりの良さが実感できます。
オデッセイのロゴマークである「渦巻き」マークを、フェースとソールにあしらったことで自信の逸品と位置づけているようです。
【MACGREGOR】 ターニークラシック アイアンマスター (IM-G5)
名器として名高い「アイアンマスター IM-G5」を、2015年12月に復刻させたL字型パターです。
現況の高速グリーンに対応できるように、フェースは波型のスコアラインが掘り込まれていて、引っ掛けを抑制するためにヒールにボリュウムをつけています。
ヴィンテージモデルを彷彿とさせる革巻きテイスト、ホーゼルの×印やソケットの赤色ラインは往時を想起させてくれるはずです。
【Titleist】 スコッティキャメロン SELECT ニューポート 3
スコッティキャメロンの洗練されたデザインと、L字型が感じられるしなやかなフローネックの「Lマレ」パターです。
フェースは軟らかい打感が特徴の6061アルミニュウムを削り出して装着し、打音にこだわったバイブレーションシステムを採用した納得の逸品といえます。
また、アドレスに入れば自然に「インtoイン」のストロークができるので、まだL字型のパッティングを身に付けていない人にもおすすめのパターと言えます。
まとめ
従来からのL字型パターは市場に出回る量が少なく、自分に合うものに巡り合う機会は少ないかもしれません。
一方でL字型パターにマレット型パターを複合した「Lマレ」は人気のパターとなっていることから、シャフトのサイズやライ角などを選ぶことができるので、実用性を考えるとおすすめの品といえるのではないでしょうか。